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インフルエンザと修士論文

おそらく中国からの留学生であろう女子学生さんが受診されました。日本語は大変すぐれており、会話に全く支障はありませんでした。
「風邪を引いたようです。でも修士論文の提出期限が迫っているので重くならないうちに治したい」とのことでした。
初診時の症状は風邪症状のみでいわゆる風邪薬を処方しました。しかしその2日後に高熱が出現し再受診されました。インフルエンザでありました。
食事もあまりとれておらず点滴を必要としました。
診察時の会話は「どなたか世話をしてくれる人はいませんか?」
「誰もいません。友人や先輩にもインフルエンザをうつすといけませんので、看病は頼めません」
「担当教官に掛け合って、論文の提出期限を延ばしてもらうことはできませんか?」
「自己管理がなってないから、インフルエンザにかかってしまったのです。そのような申し出はできません」というものでした。
お若いのにしっかりしておられました。点滴の後インフルエンザの薬を処方いたしました。
その翌日、再び高熱が出たとのことで連絡がありました。食事はあまり摂れてない様子でした。おそらく休養も十分にとらずに論文を書いていた様子です。受診していただき再度点滴を行いました。
その時彼女は「点滴は座ってできませんか?」と聞かれました。
時々「ベッドに横になっての点滴はしんどい」という方がおられます。彼女もそうかと思い、「椅子に座っての点滴の方が楽ですか?」と聞くと「寝ている方が楽ですが、明日提出の論文の校正をしたい」と言うではないですか。その日は休日であったので彼女に空いている診察室の机と椅子を提供しました。彼女は左手に点滴をしながらまた咳もしながら2診の机に向かってペンを走らせていました。それも日本語の文献ばかりを広げながらでありました。
後日の診察時には「翌日には無事論文を提出できた」とのことでした。
当院でも今まで何人か留学生の方を診察しましたがその殆どの学生さんは勉強熱心であり、質素であるが上品でありかつ清潔感のある学生さんばかりでした。彼女も無事修士課程を卒業されることを祈りたい。
それにしても初診時の症状はインフルエンザの前駆症状であったということでした。また反省である。